ランボー原作者 デイヴィッド・マレル氏 インタビュー

David Morrell: Interview with Rambo´s Father
Written by Administrator
Montag, 04 Februar 2008
Interview: Ersen Yakin | http://www.beingsly.com

– ランボーシリーズ4作目「RAMBO(邦題:ランボー 最後の戦場)」について
あなたの意見を聞かせてください。

作品全体を通して、私はこれを好意的に受け止めています。
作中の激しいバイオレンス描写は万人に受け入れられるものではないかもしれませんが、そうでなくてなはならない深い意図が込められているように思います。

この映画は私が1972年に発表した「First Blood(一人だけの軍隊)」の作品トーンが反映された最初のランボー映画です。これは私がジョン・ランボーというキャラクターに持たせたイメージに正確だと云えるでしょう。怒りに溢れ、疲れ果て、自己嫌悪に満ちた彼は、そんな己を呪いつつも、自分がそのようにしかふるまえないことも良く知っています。彼はそんな己の精神を洗い流そうとするかのごとく、フィルムの中で多くの雨に打たれます。過去のシリーズ3作品の映像が顔を出す悪夢のシーンがありますが、それらは彼の精神的トラウマを現しています。作中、彼がナイフを鍛えながら自問自答するシーンがありますが、彼はそこで、彼が皮肉にも一番得意とする人を殺める手法に長けていることについて自己嫌悪していることを認めます。映画の冒頭、ランボーはジャングルのスネークハンターとして生活していますが、彼は獰猛なコブラ達と暮らすことに居心地の良さを感じているように映ります。それらのシーンは彼の忌まわしい過去の記憶に由来していると考えられ、彼が未だ過去の呪縛から解き放たれていないことが判ります。彼は死の予感や手触りを得ることによって、死に対しての恐怖を持たずに過ごしているのです。クライマックスのカタルシスを感じさせるバイオレンスシーンは、私の好きな映画のひとつ「ワイルドバンチ」のラストシーンで傷ついたウィリアム・ホールデンが機関銃を使用する場面を思い出させます。実際、本作にはサム・ペキンパー的なところがあり、その一方で私の小説からいくつかエピソードを引用してもいます(ランボーが犬によって追撃されるシーン。映画「ランボー」でもおなじみのシーンであるが、原作ではそれ以上の強い印象を与えるシーンとなっている)。

Photobucketこの映画のもうひとつの素晴らしい要素は、作品の要所要所がギリシャ神話を思い起こさせることです。作中彼は殆ど「ランボー」という名前で呼ばれず、「ボートマン」と呼ばれます。これは彼がタイの川で自活生活をしていることからきていますが、彼が何度も「ボートマン」と呼ばれるにつれ、私はギリシャ神話に描かれたようなステュクス川(生と死の狭間を流れる三途の川)と死への旅立ちを連想するようになりました。そして同様に、ランボーがナイフを製造するシーンはギリシャ神話の鍛冶神、ヘーパイストスを思い出させます。そこで彼は、己のしてきたことを神が許すのかについて自問自答さえするのです。スライの脚本にはこうした隠喩が明確に含まれており、非常に洗練されたものになっていると云えるでしょう。またこれまでのランボーシリーズは冒険活劇や西部劇的な要素を併せ持っていましたが、それは今回も健在です。ナイフ(今回も前作同様、ギル・ヒブン氏によってデザイン)や弓矢を手にランボーがジャングルを駆け抜けるシーンの数々は、あるべきキャラクターの原型を思い出させ、しかもハッと息を飲むものに仕上がっています。

何人かの人が、ランボーの4作目には若い俳優を起用すべきだと私にメールを送ってきました。しかし、ランボーは永遠に年老いないジェームス・ボンドとは異なるキャラクターであり、彼がベトナム戦争を経験した人物であることに留意するのはとても大切なことです。私の作ったキャラクター、ジョン・ランボーは1972年にこの世に出ました。もしランボーが実在の人物であったとすると、彼は当時22歳くらいだったと思います。今は2008年ですから、彼は58歳になっていますね。ランボーを演じるスライはそれよりも少し年上ですが、だいたい適当な年齢です。そしてスライはこの「年をとるキャラクター」を昔ながらの方法で解釈しました。最新作でランボーが20年前にくらべて太っているように見えるのがそれです。ともすれば1980年代に目にしたジョン・ランボーのもっていた隆々なイメージは影をひそめたようにも思えるかもしれませんが、彼のキャラクターつくりにはこのような理由があると思います。

しかしながら、私はこの作品はもっと良い要素を持つことが出来たと思います。控え目に云ったとしても、今回の悪役(ビルマ軍)の描写は表面的だと思います。今回の舞台がビルマということで、麻薬と軍隊の関係について描くこともできたはずであり、もし彼らが麻薬取引で得ている収入について描けば、より彼らの冷酷さの動機付けになったはずです。しかしながら彼らは単にサディスティックな精神異常者としてスクリーンに現れるだけです。

Photobucketもしそうでなければ、私はこの映画が最も高い評価を受けるに値すると思います。 ニューヨークタイムズでさえランボーをよく取り上げて、ランボーの性格が映画の内容を深くしていることを強調しました。ランボーは「ランボー/ 怒りの脱出」や「ランボー3/ 怒りのアフガン」のような愛国主義が特徴の映画ではありません。もっとも特筆すべきセリフとして「俺は国のために殺していない。俺自身のために殺した。こんな俺を神が許すわけがない」というものがあります。その言葉は私の小説の「First Blood」に合わせてあるので「ランボー/ 怒りの脱出」や「ランボー3/ 怒りのアフガン」のセリフと比較して大変驚きました。

最新作で何枚かのポスターは、私を共同制作者として発表しました。しかし、これは間違いです。私は制作と関係していませんでした。今回は私は映画のために小説を書きませんでした。しかし、私は二つのクレジットを受けました。一つ目は、シナリオ作家の前の原作者としてのクレジット。もう一つのクレジットは、詩的な演出で‘デイヴィッド・マレルによる小説「First Blood」から‘とあります。二つのクレジットは、ハリウッドが通常小説家を待遇する方法ではありません。これらは、シリーズが元の小説の雰囲気に戻ったと認めるようでもあります。

繰り返しになりますが、戦闘シーンは超過激です。
しかし、その意図は大変深い意味があります。私は大変おどろきました。

(翻訳: 3人の傭兵)

———————————————–
関連サイト:
Being Stallone
http://www.beingsly.com/
The David Morrell Network
– FAQ: What’s your opinion of the fourth Rambo movie?
http://www.davidmorrell.net/faq.cfm#915

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コメント / トラックバック4件

  1. 「ランボー最後の戦場」日本公開1周年記念ということで、UP致しました。
    当時三人がかりで作った記事ということでとても思い出深い記事なのと同時に、このインタビューは大変興味深く、長くシェア出来ればと願っています。

  2. こんばんわメモさん

    これ、いい記事ですね。
    スライはマレルの原作に敬意を払って脚本を書いたのが伺えるインタビューだと思います。
    今更遅いのですが、思わずもしも『JOHN RAMBO』日本公開前に当時の配給会社さんが宣伝時にこのような内容のモノも織り込んで宣伝していたらひょっとしたら世間のⅡ&Ⅲで定着してしまったランボーのイメージを覆して興味を持った方々がランボーの1作目を観直してJ.ランボーをもっと理解してもらっていたかもせんですね~
    『JOHN RAMBO』においては個人的にカットされたサラとの雨の夜のボートでのやりとりを本編に入れて欲しかった・・・
    それだけで作品の評価がさらに良くなっていたと思われてしょうがありません。

  3. スパルタンさん、こんばんは。

    たしかにこれはファンにはたまらないインタビューですよね。氏とのインタビューを成功させたのがリンク明記があるように個人ファンだったというから当時大変驚いた記憶があります。この記事はカテゴリー「Interview」に入れ、スライニュースとは関係なくいつまでも読めるように致しましたので、お暇な時など覗いてみてください。

    ご指摘のボート上でのサラとの対話は「ランボーがそんなに喋るのはおかしい」とスライ自身がカットしたと聞いていますが、今はどう思っているのでしょうね。ここでチューリッヒ映画祭で幻に終わった「ランボー4ディレクターズ・カット」を是非。

  4. >ボートでのやりとり

    スパルタンさん、おはようございます、ハルです。同感です。『個人的には』“外せないシーン”だったと考えます。キャラクター・イメージ他、大人の事情 等がはたらいたと推測しますが、ランボーは映画 FIRST BLOODのラストでも大佐に“思いをぶちまけて”いるのですし、(20-RAIN BORT 雨の船着き場 のシーンで)心を開きかけたサラに長ゼリフを喋っても不自然じゃないと考えます。特に『戦争の構図』を明解に述べる所は、戦争を“カッコイイもの”と『だけ』受け取りがちな次世代の若者へのメッセージになると思います。よって、あのシーンはあるべきシーンだったと私は思います。。

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